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Azure Monitor Agent 版 Change Tracking と Inventory を試し隊

 ·   5 分で読めます  ·   Kento

Azure には Change Tacking & Inventory (変更履歴とインベントリ) という機能があります
マシンに格納されているファイルやレジストリの変更履歴を収集し、監視することができます

従来は Log Analytics エージェントで実行されていましたが、現在は Azure Monitor Agent で実行されるようになりました
今回は Azure Monitor Agent 版 Change Tracking & Inventory を試してみます

ざっくり手順

  1. Change Tracking & Inventory を有効化
  2. データ収集ルールの確認
  3. 変更とインベントリ センターの確認
  4. 収集内容の確認
  5. Windows ファイルの変更追跡
  6. ファイル コンテンツの変更追跡

1. Change Tracking & Inventory を有効化

仮想マシンと Log Analytics ワークスペースは事前に作成しておきます
今回は 1台の仮想マシンのみを対象に有効化します

当該仮想マシンのメニューから [インベントリ] または [変更履歴] を選択し、有効化します
メニューは異なっていますが、片方が有効化されるともう片方も有効化されます
そのため どちらから有効化しても問題ありません

有効化するときは [AMA エージェントの使用を有効にする] を選択しておきます
(AMA エージェントって エージェント が被っとるやないかい)

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機能の有効化:

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機能の有効化:

しばらくすると有効化完了の通知が表示されたのでブラウザを更新します
インベントリと変更の追跡の両方の画面が表示されるようになりました
データがまだ収集しきれていないのか、データが表示されていませんでした

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機能の有効化:

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機能の有効化:

VM の拡張機能を確認すると AzureMonitorWindowsAgentChangeTracking-Windows が追加されていました

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拡張機能:

2. データ収集ルールの確認

Azure Monitor Agent が利用されるとのことなのでデータ収集ルールがどうなっているか確認します
ct-dcr から始まるデータ収集ルールが構成されていました

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データ収集ルール:

データソースには何が登録されているのかと見てみると何も登録されていません

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データソース:

リソース JSON を見てみると dataSourceextensionsChangeTracking-Windowsing が追加されていました

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リソース JSON:

3. 変更とインベントリ センターの確認

[変更とインベントリ センターを開く] というボタンが表示されていたのでクリックしてみます

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変更とインベントリ センター:

専用の画面が表示されましたが、内容としては仮想マシンごとの画面と大差ないように見えます
全体一括で見たいときに確認する画面でしょうか

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変更とインベントリ センター:

Automation Account が不要になったぽいので、全体を確認する画面として Automation Account の代わりに提供されている気がします

4. 収集内容の確認

今度は [設定] をクリックして収集内容を確認します

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設定:

収集されるデータの種類を確認できます

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収集内容:

Windows Files は空ですが、Linux Files は1種類だけ構成されていました

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収集内容:

5. Windows ファイルの変更追跡

監視対象のマシンにログインし “C:\Temp\test.txt” を作成してみました

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ファイル作成:

このファイルに関して情報収集するように Change Tracking & Inventory を設定してみます

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収集内容:

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収集内容:

Azure Monitoring Agent を使用した Azure Automation Change 変更履歴とインベントリ の概要 | Microsoft Learn を見ると Windows ファイルのデータ収集頻度は 30-40分なのでしばらく放置します

しばらく待ってみましたが、データが収集されていませんでした

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Windows Files:

ファイルを更新してみます

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ファイル更新:

これでしばらく放置してみると変更が収集されました

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Windows Files:

変更が行われたことは検知できましたが、具体的にどんな変更が行われたのかはわかりません

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Windows Files:

6. ファイル コンテンツの変更追跡

ファイル コンテンツの変更追跡を試してみます
Change Tracking の設定から [ファイル コンテンツ] を選択します

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ファイル コンテンツの変更追跡:

ファイルを変更してしばらく放置しておきましたが、データが収集されていませんでした
。。。仮想マシンのマネージド ID に対してストレージ アカウントへの書き込みアクセス権を付与するのを忘れていました
マネージド ID に [ストレージ BLOB データ共同作成者] を付与しておきます

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マネージド ID へのアクセス権付与:

再度ファイルを更新して放置します
最新の結果を選択します(色々と試行錯誤の痕跡

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変更の追跡:

先ほどまでは存在していなかった[ファイル コンテンツの変更の表示] が表示されました

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ファイル コンテンツの変更の表示:

クリックしてみるとエラーが
内容を見てみるとファイルが見つからないとのこと
機能を有効化してから1回だけ、変更をしました。その変更後のファイルだけが保存されていて、変更前のファイルは保存されていないからのようです

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エラー:

実際に当該ストレージ アカウントを見に行くとファイルは1つしかありませんでした

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ファイル:

ということで、もっかいファイルを変更して放置します
すると変更内容も含めて確認することができました!

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ファイル コンテンツの変更:

ストレージ アカウントにはファイルが保存されていました

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ファイル:

まとめ

Azure Monitor Agent 版 Change Tracking & Inventory を試してみました
変更履歴の収集は問題なくできましたが、ファイルコンテンツの収集はストレージ アカウントへのアクセス権が必要であることを忘れていました
Azure Monitor Agent での FIM は Defender for Endpoint に統合されたため、今後は Change Tracking & Inventory でのファイルコンテンツの収集は行われないかもしれません

参考

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Kento
著者
Kento
2020年に新卒で IT 企業に入社. インフラエンジニア(主にクラウド)として活動中