JavaScriptを有効にしてください

AVD on Azure Local の検証環境を作成し隊

 ·   5 分で読めます

はじめに

この記事では、Azure Virtual Desktop (AVD) を Azure Local 環境で作成する方法を紹介します

想定される読者

  • AVD の導入を検討している方
  • AVD on Azure Local の検証環境を構築したい方

ざっくり手順

以下の手順で進めます:

  1. Azure Local 環境の作成
  2. AVD on Azure Local の事前準備
  3. AVD on Azure Local のデプロイ
  4. AVD on Azure Local の接続テスト

1. Azure Local 環境の作成

今回は Azure Arc Jumpstart の LocalBox を使用します
手順通りにデプロイを進めます

自分は検証環境の作成と削除をよく繰り返すので、Bicep を Template Spec に登録して GUI でサクッとデプロイできるようにしています

image01
LocalBox のデプロイ:

手順通りにデプロイを進めると Azure Local が参加するドメインは [jumpstart.local] になります
もしこれを変更したい場合はこちらの手順に従ってデプロイを実行します
https://jumpstart.azure.com/azure_jumpstart_localbox/using_localbox#:~:text=Advanced%20Configurations

Bicep のデプロイが完了すると VM にログインして自動化のスクリプトを開始します
※ログインするだけでスクリプトが実行されます
デプロイ時のパラメータで [Vm Autologon] を [true] にしておくと、VM 起動時に自動でログインしてくれるので、なにもしなくても OK です(たぶん)

この自動化スクリプトの完了に 2-3時間かかるので終わるまで気長に待ちます
約2時間経った状態がこれです
まだ Azure Local のデプロイは実行中です

image02
Azure Local のデプロイ中:

Bicep のデプロイから5時間が経過しました
ようやく Azure Local のデプロイが完了しました

image03
Azure Local のデプロイ完了:

2. AVD on Azure Local の事前準備

Azure Local のデプロイが完了したら、次は AVD の事前準備を行います

  • Azure Local に VM イメージを保存
  • Azure Local に論理ネットワークを作成
  • LocalBox で作成された ドメインコントローラーと Microsoft Entra ID の同期
  • ドメインコントローラーに AVD 用のユーザーを作成
  • ライセンス付与

Azure Local に VM イメージを保存

Azure Arc Jumpstart の手順に従って、VM イメージを Azure Local に保存します
今回は Windows 10 のイメージにします (Azure Local が vTPM などの要件を満たしているかわかっていないので、、)
これも時間がかかる操作なので、待っている間に他のことを進めます

image04
VM イメージの保存:

image05
VM イメージの保存:

Azure Local に論理ネットワークを作成

Azure Arc Jumpstart の手順を参考に、Azure Portal から Azure Local に論理ネットワークを作成します

項目
論理ネットワーク hcibox-vm-lnet-vlan200
仮想スイッチ ConvergedSwitch(hci) ※選ぶだけ
IP アドレス空間 192.168.200.0/24
デフォルトゲートウェイ 192.168.200.1
DNS サーバー 192.168.1.254
VLAN ID 200

image06
論理ネットワークの作成:

image07
論理ネットワークの作成:

image08
論理ネットワークの作成:

LocalBox で作成された ドメインコントローラーと Microsoft Entra ID の同期

ドメインコントローラーと Microsoft Entra ID の同期を行うために Microsoft Entra Connect をインストールします

Azure Local のデモ環境をホストしている LocalBox-Client (Azure VM)にログインします
次に、LocalBox-Client から ドメインコントローラー [192.168.1.254] に接続します

Microsoft Entra Connect をインストールするために、ユーザーを [Enterprise Admins] グループに追加します

image10
Enterprise Admins グループに追加:

image11
Enterprise Admins グループに追加:

Download Microsoft Entra Connect from Official Microsoft Download Center から Microsoft Entra Connect をダウンロードしてインストールします
今回は細かい設定を行わずインストール時に、[Use Express Settings] を選択します
適切な Microsoft Entra ID ユーザーとドメインコントローラーのユーザーで認証し、デフォルト設定でポチポチ進めていきます

image09
Entra Connect のインストール:

無事に同期が完了しました

image12
Entra Connect の同期完了:

ドメインコントローラーに AVD 用のユーザーを作成

ドメインコントローラーに AVD 用のユーザーを作成します
今回は [avd-user01] という名前で作成します

image13
AVD 用のユーザー作成:

しばらくして Microsoft Entra ID にもユーザーが同期されていることを確認します

image14
Microsoft Entra ID にユーザー作成:

必要に応じて作成したユーザーの MFA などを登録しておきます

そうこうしているうちに、VM イメージの保存が完了しました

image15
VM イメージの保存完了:

ライセンス付与

Micrsoft 365 管理センターにアクセスをして作成した [avd-user01] に AVD に必要なライセンスを付与します

image16
AVD ライセンスの付与:

3. AVD on Azure Local のデプロイ

ここまででようやく準備ができたので、AVD のデプロイを行います
AVD on Azure Local では [セッションホスト構成] 機能がサポートされていないので従来通りのデプロイ方法を試します

image17
AVD のデプロイ:

セッションホストの作成では仮想マシンの種類で [Azure ローカル仮想マシン] を選択し、先ほどまでの手順で作成したイメージを選択します

image18
AVD のデプロイ:

Azure VM とは異なり、各マシンの vCPU やメモリを好きなように設定することができます

image19
AVD のデプロイ:

参加するドメインは [jumpstart.local] になります

image20
AVD のデプロイ:

スクショは割愛しますが、ワークスペースとログの設定をそれぞれ行いデプロイを実行します

image21
AVD のデプロイ:

AVD のリソース グループは分けておきました
デプロイが完了するとこれらのリソースが作成されています

image22
AVD のデプロイ完了:

アプリケーション グループに接続するユーザーを割り当てて準備完了です

image23
AVD のデプロイ完了:

4. AVD on Azure Local の接続テスト

最後に、接続テストを行います

  • ブラウザでの接続
  • Windows App での接続

ブラウザでの接続

AVD のポータル (https://client.wvd.microsoft.com/arm/webclient/index.html) にアクセスして、作成したアプリケーション グループに接続します
今回作成したワークスペースと同じものが表示されています

image24
AVD の接続:

接続するとドメインコントローラーでの認証を求められます

image25
AVD の接続:

無事に接続できました
Azure Portal からもアクティブなセッションが確認できます

image26
AVD の接続:

試しにユーザーに通知を出してみました
何の問題もなく表示されています

管理者による強制サインアウトもできました

Windows App での接続

Windows App からも接続してみます

image27
AVD の接続:

無事に接続テストができました
UDP ベースの接続になっているので、RDP Shortpath が有効になっていることがわかります

まとめ

AVD on Azure Local の検証環境を作成することができました
トータルで 6-7時間くらいかかりましたが、実際に作業をしている時間は 1-2時間くらいでした

これで Azure Local 上で AVD を利用することができるようになったので、色々と検証をしてみたいと思います

参考

共有

Kento
著者
Kento
2020年に新卒で IT 企業に入社. インフラエンジニア(主にクラウド)として活動中