JavaScriptを有効にしてください

Azure Migrate についてまとめ隊

 ·   4 分で読めます  ·   Kento

今回は Azure Migrate の概要についてまとめます

Azure Migrate とは

名前の通り移行 (Migrate) サービスです
移行サービスなんですが、データを Azure に持っていくだけのサービスではないです
サーバーを移行するときは多くの場合以下のステップが必要になります
Azure Migrate では「移行対象サーバーの検出・アセスメント」からが守備範囲になります

graph TD
    A[移行先の検討]
    subgraph Azure Migrate がカバー
    B[移行対象サーバーの検出・アセスメント]
    C[移行先のパラメータ確定]
    D[移行のテスト]
    E[移行の完了]
    B --> C
    C --> D
    D --> E
    end
    A --> B
    F[クラウド用の運用にシフト]
    E --> F

つまり Azure Migarte はデータの移行ツールというよりは、Azure に移行するための各種機能を盛り込んだ移行支援サービス群で、Azure Portal で Azure Migrate を検索して表示される画面は各機能にアクセスできるハブ的な役割を果たします

portal01
Azure Portal の Azure Migrate:

含まれる機能例

上に書いたように Azure Migrate は移行に便利な機能を含んでいます
そのため「Azure Migrate の XXX という機能/ツールを利用する」という表現が適切です
このいくつかの機能・ツールを簡単に紹介します

Azure Migrate: Discovery and Assessment ツール

VMware や Hyper-V といった仮想化基盤上の VM や 物理サーバーを検出 (Discovery) し、Azure への移行を評価 (Aeessment) します
評価内容には以下のような観点が含まれます

  • Azure への対応性 (OS バージョンとか、ライセンスの問題とか)
  • Azure のサイジング
  • コストの見積もり
  • 依存関係の分析

これらの評価を行うには Azure Migrate アプライアンス を使用します (Excel に手作業で移行元のデータを入力することも可能)

Azure Migrate について学んでいると名前がややこしくて混乱することが多いです
その原因の1つに「同じアプライアンスでも移行元環境で使い道が異なる」からです
原則として Azure Migrate アプライアンスは移行元サーバーの検出と評価ができます
ただし、VMware 環境をエージェントレスで移行するときだけ、移行ツールとしても再利用できます
(Migrate アプライアンスって名前なのに移行作業はほとんどの場合守備範囲外なのが、これまたややこしい。。。)

移行およびモダン化ツール

Azure VM への移行ツールまたは PaaS へのモダン化ツールはいくつかあります
Azure VM への移行だけにフォーカスするとこんなイメージです
どの方法でもテスト移行機能などは共通して利用できます

環境 移行方法 ツール
VMware エージェントレス Azure Migate アプライアンス (Discovery and Assessment と同じ)
VMware エージェントベース レプリケーション アプライアンスを別途用意
Hyper-V エージェントレス レプリケーション プロバイダーとエージェントを Hyper-V ホストに用意
その他 (物理サーバーやほかのクラウドなど) エージェントベース レプリケーションアプライアンスを別途用意

移行方法を検討しているとエージェントレスとエージェントベースという 2 種類が目につきます
実際はエージェントレス・ベースが選べるのは移行元が VMware の時だけでそれ以外は選択肢は特にありません
※Hyper-V の環境を「その他」の扱いにすることもできますが、なにか事情がない限りメリットはない

あと、このエージェントレス・ベースは移行対象のサーバーにエージェントを入れるかどうかです
そのため、たとえエージェントレスだとしても仮想化のホストにはインストールが必要だったりします

Azure への移行には Azure Site Recovery を使っていたときもあったそうです (そのときは Azure を触っていなかった)
今は「移行およびモダン化ツール」を使います
ただし、このツールには Azure Site Recovery でも使われている技術が流用されています
その結果、Azure Migrate を調べていると Azure Site Recovery の技術情報に辿りつく場合があります

まとめ

Azure Migrate について簡単にまとめてみました
サービスの全貌がつかみずらいのと、アプライアンスなどが複雑なのでわかりずらいです、、、
しかし、移行元の環境が確定すると方法は1択だったりするので意外とシンプルな一面もあります

Azure Migrate を触ってみたい方は過去に書いたこの記事を参考にしてみてください
Azure Migrate の検証環境を作成してみる! – クラウドを勉強し隊

参考

共有

Kento
著者
Kento
2020年に新卒で IT 企業に入社. インフラエンジニア(主にクラウド)として活動中